予選11Rを走る大川龍二(37=広島)は2月の岸和田でS級初優勝を飾るなど、この年齢にして「生涯最高の強さ」と自賛するほど乗れている。その要因をじっくりと聞いてみた。

「成績が悪い時に、先輩や同期に開き直って聞いてみたんです。『俺の悪いところをはっきりと言ってくれ』と」。

一番多かった意見は「レースで勝負どころがわかっていない。相手と戦っていないし、相手に踊らされている」。つまり1人で走ればタイムが出るが、競輪にはなっていないということ。

そこから大川はじっくりと自分のレースをVTRで見直し始めた。自分でもレースセンスの悪さに気づき、取り組み始めたのが「センスが悪いのは仕方ないので、レースセンスを人工的に作ることを始めました」。

レースで何パターンもの組み立てを考えたり、他選手のレースを分析することでようやく競輪がわかってきたという。

「これからどこまで強くなっていけるのか。それは自分でも楽しみです」。初日は地元の佐々木則幸の援護で一気のまくりを決める。