再開まで待ち切れない。新型コロナウイルスの影響で今シーズンのJリーグは2月23日の試合を最後に中断していたが、J1は7月4日、J2は6月27日から再開することが決まった。スポーツのデータを重視する日刊スポーツでは、これまでの好記録や今季達成されそうな記録など知っておいて損はないJリーグの注目すべき数字を取り上げ、数々の見どころを随時紹介します。

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セレッソ大阪に移籍したプロ2年目のMF坂元達裕(23)が、得点力不足に苦しむチームの救世主になるかもしれない。東洋大からJ2モンテディオ山形に加入した昨季は全42試合に出場し7得点。積極的にドリブルを仕掛け、相手を抜き去った回数はJ2で2位の86回を誇った。


その突破が鋭いゆえ、相手は反則を繰り返し、被ファウル数はリーグで3番目に多い83回。アタッキングサード(ピッチを3分割した攻撃側エリア)に限れば最多33回を数えた。それによって山形は「いい位置」でFKを獲得。FKから3プレー以内のゴールはリーグ最多8点で、坂元はPKを2度獲得してみせた。

ドリブルを仕掛けるC大阪MF坂元達裕(2020年2月16日撮影)
ドリブルを仕掛けるC大阪MF坂元達裕(2020年2月16日撮影)

こうした仕掛けのプレーは昨季までのC大阪に足りなかったところ。優勝した横浜F・マリノスが9度のPKを獲得したのとは対照的にリーグで唯一、PK獲得が1度もなかった。FKにおいてはMF清武らスペシャリストがそろっているだけに、今季加入のドリブラーの働きによって、本来の武器がより生きることになるはずだ。

今年2月の大分トリニータとの開幕戦でもいきなり先発し、存在感を示した。あのメッシと同じ身長170センチで左利き。C大阪のドリブラーに今季ブレークの予感が漂う。【構成=石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)