「小兵軍団」湘南ベルマーレが自慢の走力でかき回す。今季開幕時の平均身長はJ1、J2計40チームの中で最も低い174・6センチ。196センチのFW指宿はいるが、MF中川が155センチ、MF鈴木、斉藤、松田、山田が160センチ台と主力に小柄な選手が多い。その高さ不足を豊富な運動量と俊敏さで補うのが湘南スタイルだ。

新型コロナウイルスの影響による中断前の2月21日の開幕節浦和レッズ戦。先発の平均身長は173センチで、浦和の179センチより約6センチも低かった。実際、空中戦では浦和の27勝に対して湘南は9勝と、浮いたボールへの競り合いに負け越した(データスタジアム調べ)。

だが、時速24キロ以上で1秒以上走ったスプリントは開幕節最多の224回、総走行距離も2位の120・8キロだった。試合はPKの失敗もあり、2-3で競り負けたものの、湘南らしくチーム全員が最後までアグレッシブに走り抜いた。

7月4日の再開後は交代枠が従来の3人から5人に増えるが、途中出場のフレッシュな選手によってギアは上がり、スプリント数はさらに増えそう。一時的な規則改正によって、走る湘南に追い風が吹くか注目だ。【石川秀和】

<J1開幕節の先発選手の平均身長>

(1)湘南 172.5

(2)名古屋 174.9

(3)鳥栖 175.9

(4)横浜 176.1

(5)大分 176.6

(6)川崎F 177.1

(7)G大阪 177.5

(8)清水 177.5

(9)横浜FC 178.1

(10)鹿島 178.6

(11)浦和 178.6

(12)C大阪 179.0

(13)柏 179.3

(14)神戸 179.4

(15)仙台 179.4

(16)広島 179.5

(17)札幌 179.9

(18)東京 181.2

(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)

J1の平均身長比較図
J1の平均身長比較図