今季のJ2アルビレックス新潟はどこからでも点を奪えるのが強みだ。17日のホーム・ツエーゲン金沢戦で今季初出場のFW矢村が決勝点を決めて1-0で競り勝った。開幕から8戦不敗のクラブ新記録を達成し、首位をキープ。今季の得点者はその試合数を上回り、早くも10人に到達した。

しっかりつないだ上でのゴールだけでなく、この日の矢村の得点に象徴されるようにカウンターの鋭さも増す。さらにクロス、ドリブル、スルーパス、セットプレーと、その得点パターンも実に多彩だ。

昨季は42試合で14人がゴールを記録したが、チーム得点王だったベテランFW鄭大世(9点)、クラブ生え抜きのエースFWだった渡辺新太(7点)が移籍。例年のような強力ブラジル人アタッカーの補強がない中でもチーム一丸となって相手ゴールに迫っている。

第5節で新人のFW三戸、第6節でMF高が加入後初ゴールを決め、今節はFW矢村が今季初ゴールと、日替わりでヒーローが誕生しているのもいい。それもアルベルト監督の目指すスタイルがチームに浸透し、選手全員が同じ方向に突き進んでいるがゆえか。

今後の得点者リストに名を連ねそうな選手を見ると、昨季J3熊本で得点王のFW谷口、右サイドバックとして攻守に奮闘する今季加入の藤原、昨季3得点を挙げた左サイドバックの堀米、セットプレーからの得点が期待されるDF舞行龍、FKが武器のDF田上など、そのメンバーは多士済々。5年ぶりのJ1復帰へ、期待がふくらむ。【石川秀和】

17日の金沢戦で決勝ゴールを挙げた矢村(左)
17日の金沢戦で決勝ゴールを挙げた矢村(左)