J2アルビレックス新潟は昨季までの4-2-3-1ではなく、より攻撃的な布陣で昨季J1の仙台を攻め立てた。ボール保持率は56%で、公式記録上のシュート数も相手の3倍以上となる13本。サイドから内へ切れ込むだけでなく、縦に突破してからのクロスで何度も好機をつくった。それによって獲得したCK数も相手の2本に対して11本。昨季までの2年間、新潟を率いたアルベルト監督(現J1東京アルベル監督)時代に4度あった1試合最多の10本を上回った。

数多くのCKを得たことで、昨季開幕戦での第1号ゴールの再現が期待された。MF島田のCKをDF千葉が頭で合わせた形。だが、今季の初戦はMF高木らのキックは精度を欠き、シュートにつながったのは1本だけ。ゴール前に蹴り込まなかったショートCKが4本、相手にクリアされたものが6本もあった。

昨季はCKにアシストがついた得点がリーグ2位タイの5点。だが5月5日の第12節大宮戦でDF早川が押し込んだゴールが最後となった。武器にしていたCKからの得点がなくなり、開幕からの不敗も13試合でストップし、チームも失速した。W杯イヤーの今季、日本代表も専門のコーチを招いてセットプレーを強化。その成否がJ1昇格の鍵になるかもしれない。【石川秀和】

ボールを奪い合う新潟・伊藤(中央)(撮影・佐藤究)
ボールを奪い合う新潟・伊藤(中央)(撮影・佐藤究)