<W杯アジア最終予選:日本2-0オーストラリア>◇B組◇31日◇埼玉

 先発メンバーを代えた采配が当たったように見えるけど、コンディションのいい選手を使うという基本的なことをやっただけ。当たり前のことで、むしろこうするのが遅すぎた。6月のイラク戦で失敗して、勉強したんじゃないかな。

 今日は乾、浅野がいけるところまで走って、頑張って、理想的な交代ができた。ボランチの3人も当たった。そのおかげでDFラインが楽になった。

 4年前にW杯出場を決めた時に「W杯に出るのと、W杯で勝つのは違う」という話をしたが、今回も同じ。このままでは1次リーグ敗退になる。大迫が起点になったと強調されたが、彼は得点をとってくれないと…。起点になる選手は何人もいる。求められているのはゴールを挙げる選手だ。

 前回は本番まで残り時間が今回より長く、コンフェデ杯でブラジルやイタリアなどと対戦できた。今回は強いチームとの強化試合もままならないだろう。世界との差は縮まっていない。レベルを上げるための策は2つだ。1つは高いレベルの相手と試合をさせること。興行性が優先された親善試合では物足りない。

 もう1つは競争させることだ。どの代表でもいくら名前があっても、コンディションが悪ければ落とされる。そこからはい上がってくるのを待つ。今の本田や香川は代表に選ばれる状態じゃない。そんな意味も含めて、サウジアラビア戦でも基本を守るべき。出てない選手を試すような布陣ではなく、コンディションのいい選手から使ってほしい。それがプロであり、代表であり、世界との戦いだ。(日刊スポーツ評論家)