いよいよW杯ロシア大会出場32チームが出そろい、12月1日には組み合わせ抽選が行われる。今回は10月に発表されたFIFAランクに準じて第1~4ポット(P)に分けられた。第4Pには日本を含めてアジアが4チーム、出場枠が多いのにアジアのレベルが低いことが分かる。4年前と変わっていない。14年ブラジル大会で日本、イラン、韓国は1分け2敗、オーストラリアは3敗とアジアは1勝もできなかった。

 アジアはどの組に入っても「死のグループ」だ。どのチームとも対等に戦うことは難しい。

 逆にブラジルから見れば1次リーグ(L)突破は難しくない。第1Pと第2Pの国は「突破しなければならない」と重圧がかかるほど、第3P、第4Pと力の差をつけている。問題は第2Pのスペインで、同組になると1位通過ができるかどうか。ブラジルに限らず第1Pの国から見れば、第3P以下で脅かされるところはないという感じだ。

 もちろんFIFAランクにもアンバランスがある。ペルーがなぜ10位か分からないし、第2Pの中では劣る。イタリアやチリ、オランダが敗退し、それと入れ替わるように出てきたペルーやアイスランドは、やはり選手層や国際的な実力が落ちる。一方で、欧州予選でウェールズ、アイルランドと同組ながら1位突破したセルビアが第4Pというのも不自然。第3Pのイランやチュニジア、アイスランドと位置が逆でもおかしくない。第3Pと第4Pの差はあまりない。

 日本にとっては第1P、第2Pのチームが第3Pともつれて、日本が第3Pのチームに勝利すれば1次L突破のチャンスがある。ただ、1勝2敗では無理だろうから、第1P、第2Pのチームからも勝ち点が必要だ。抽選だから希望を言っても仕方ないが、ロシア、ペルーの両チームとも同組になったら「宝くじ」だろう。ロシアは開催国枠での第1P。ランクは明らかに下だし、地の利はあっても“不正”があるわけじゃない。

 鍵を握る第3Pのチームではデンマーク、スウェーデン、強いて加えるとセネガル、エジプトがいかに上位チームと戦ってくれるかじゃないかな。(日刊スポーツ評論家)