<高校サッカー:広島皆実1-0作陽>◇3日◇3回戦◇駒沢

 広島皆実(広島)が3年連続で8強に進出。第87回全国高校サッカー選手権大会の3回戦8試合が行われた3日、広島皆実は作陽(岡山)との中国ダービーを制し8強入り。FW玉田耕平(3年)のゴールを鉄壁の守備で守りきる価値ある1-0勝利だ。5日、四日市中央工(三重)と4強の座をかける。

 1-0の完勝だ。相手は中国地方の覇権を争うライバル作陽。昨年の選手権ではPK戦の末に勝利し、プリンスリーグ中国では2戦2勝と広島皆実が勝っている。手の内を知り合う優勝候補同士の一戦は、臨機応変に挑んだ広島皆実に軍配が上がった。

 試合前のコイントスに勝利した主将DF松岡は、風下サイドを選択。「相手の先発メンバーを見たら、前半は守備固めに来る」と松岡。過去の対戦から4-2-3-1布陣を敷く作陽の中盤両サイドが守備的と判断。相手の攻撃力が劣る前半を、風下から攻める作戦を取った。

 攻め続けて迎えた前半終了間際だ。MF浜田の縦パスに鋭く反応した玉田が、DFラインの裏へ抜け出し、GKとの1対1を冷静に決めた。公式戦4試合ゴールから遠ざかっていた玉田は「ここまで苦しい場面で点を取れなかった。うれしいです」と喜んだ。

 後半は松岡を中心とした固い守備で虎の子の1点を守り抜き1-0完封。風下では足元のショートパスを多用し、風上では浮き球やロングボールも織り交ぜる。さらに組織的な守備。ゲームを支配し、「やりたいことが出来た」(松岡)。

 第84回大会出場の広島観音から県勢は4年連続で8強進出だ。しかし、4強は第54回大会以来遠ざかっている。次の相手は四日市中央工。「この試合(4強入り)を目標にやってきた。注意深く大胆に行く」と藤井監督。“堅守強攻”に“適応力”を身につけたイレブンが、悲願の4強進出を狙う。【佐藤貴洋】