元日本代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏(66)が、日本サッカー協会(JFA)を相手取り、東京地裁に名誉毀損(きそん)による慰謝料1円と謝罪広告の掲載などを求める訴訟を起こした裁判の、第1回口頭弁論が27日、東京地裁で開かれた。

 ハリルホジッチ氏は、金塚彩乃弁護士を通じ、前日26日に日本代表新監督に就任した、森保一監督(49)にエールを送った。

 ハリルホジッチ氏 新しく監督に就任された森保さんには、私自身も監督に任命されたことを心よりうれしく思った。すばらしい日本のチームのため。十分に独立した立場でその任務を全うできること、及び代表監督として、協会あるいはその代表から最低限の経緯を持って接せられることを願っています。森保さんに対しては、今後の成功を心より祈っています。

 JFAは4月7日付でハリルホジッチ氏を解任した。その理由として、田嶋幸三会長(60)は同9日の会見で「選手とのコミュニケーションや信頼関係が薄れた」となどと説明していた。それに対し、ハリルホジッチ氏は同27日の会見で「問題はなかった」と反論。弁護士を通じて契約解除の経緯を説明するよう求めた。

 その後、5月17日にJFAから回答を受け取ったが、納得のいく内容ではなかったとして提訴を決め、訴訟を同24日に同地裁に起こすと明らかにしていた。

 ハリルホジッチ氏は、裁判の中で、田嶋会長が会見の中で発言したことで監督としての評価が低下したこと、名誉を毀損されたことで訴えている。【村上幸将】