サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランク10位)は東京五輪出場を逃したスペイン(同13位)に1-3で敗れ、黒星発進となった。1点を先行された前半44分にFW岩渕真奈(27)の技ありボレーシュートで同点に追いつくも、ミスが重なった後半に2点を追加された。相手の細かなパスワークに翻弄(ほんろう)されての完敗。残り5か月を切った東京五輪本番へ向け、不安の残る結果となった。次戦は9日(日本時間)にイングランド(同6位)と対戦する。

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金メダルへの道が遠く感じる敗戦だった。序盤から相手に押し込まれると前半8分に左サイドを崩され、先制点を献上。同44分にDF清水のロングボールに岩渕が右足をダイレクトで合わせるボレーシュートを決めて同点としたが、見せ場はここまで。後半3分に最終ラインでのパスを奪われて勝ち越されると、同33分にもミスから試合を決める3点目を奪われた。

昨年6月のW杯以降は、ほぼメンバーを固定して戦ってきたが、この日は連係にちぐはぐさが見られ、チームの形は見えないまま。高倉監督は「攻撃の厚みを含めた連続性がなかった」と厳しい表情を浮かべた。五輪出場を逃している相手に力負け。岩渕は「技術の部分でも日本の長所が一切出ずに相手に上回られた」と肩を落とし、GK山下は「W杯で学んだことが全然生かされていない」と危機感を募らせた。次戦はW杯でも敗れた格上のイングランド戦。真価の問われる試合で、なでしこが意地をみせられるか。