今日から3回にわたり、日本(FIFAランク24位)が戦う1次リーグE組のライバルたちを紹介します。1回目は圧倒的な選手層を誇るドイツ(同11位)。主軸だったFWウェルナー(ライプチヒ)が左足首の靱帯(じんたい)で大会を欠場し、MFミュラー(バイエルン・ミュンヘン)が腰痛を抱えるなどの不安材料はあるが、それを補うには余りある選手がそろった。

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はっきりいってドイツは強い。ドルトムント主将のMFロイスや、経験豊富なDFフンメルス(ドルトムント)らを外すことができる国はそうはない。

◆守備の要

代表通算113試合出場のGKノイアー(Bミュンヘン)とともに、日本の攻撃陣の前に立ちはだかるのが190センチ、85キロの大型DFリュディガーだ。今夏チェルシーからレアル・マドリードに移籍。高さと強さを併せ持ち、スピードもあるフィジカルモンスターだ。加えて気持ちも強い。10月11日の欧州チャンピオンズリーグ(CL)シャフタル・ドネツク戦では1点を追う後半ロスタイム、GKに激突しながら頭で同点ゴールを押し込んだ。顔面血だらけになり、20針を縫う大ケガだったが、包帯グルグル巻きで笑顔の写真をSNSに投稿。「死ぬほどのことでなければ、それは自分を強くしてくれる」とメッセージを添えた。

◆攻撃の要

19歳のムシアラ(Bミュンヘン)がスーパースターへと飛躍しそうだ。今季ブンデスリーガでいずれもチームトップとなる9得点、6アシスト。攻撃的なポジションならどこでもこなし、代名詞はキレキレのドリブル。足元の技術が非常に高く、繊細なボールタッチとスピードで楽々と相手を抜いていく。ムシアラという個の力があることで、徹底して引いて守る相手への突破口も見いだしやすくなる。ムシアラはSNSに「とてもうれしいし、誇りに思う」。その初々しい言葉とは裏腹に、プレーはすでに欧州トップレベルだ。

◆監督

前Bミュンヘンのフリック監督が、1次リーグ敗退に終わった18年ロシア大会後に就任。インテンシティー(強度)を高く保ち、高い位置からのプレスでボールを奪い、素早く攻撃に転じる典型的な現代サッカーを掲げる。日本は立ち上がりに相手の強度にのまれてしまうと、大量失点にもつながりかねない。

◆弱点

ストライカータイプの選手が不足。ドイツ代表歴代最多71得点を誇るクローゼのような選手が現代表にはいない。決定力不足が指摘されており、日本もドイツの猛攻を耐えしのぎ接戦に持ち込みたい。

◆対戦オッズ

英ブックメーカー「ウイリアム・ヒル」のオッズによると、その倍率は、日本勝利6・5倍、ドイツ勝利1・5倍、引き分け4・2倍。下馬評はドイツ優位で堅い。【千葉修宏】

■日本勝利は28%

日本スポーツ振興センター(JSC)は16日、ワールドカップ(W杯)カタール大会を対象としたスポーツ振興くじ「WINNER(ウィナー)」の投票状況(同日午前10時現在)を発表し、日本の最終成績予想(13択)は「勝ち点3で1次リーグ敗退」が3・1倍で1番人気となった。ベスト16は4・0倍で4番人気、ベスト8は5・6倍で6番人気。

1試合予想は1-0、1-1といった結果を18択から選び、日本の初戦となるドイツ戦は「ドイツの2-0」が最も人気が高く4・9倍。日本勝利の選択肢に投票した割合は計28%だった。コスタリカ戦は「日本の2-0」が3・7倍、スペイン戦は「日本の0-2」が4・5倍で1番人気だった。優勝チーム予想はブラジル、アルゼンチン、フランスの順で、日本は13番目。

それぞれのくじの販売終了まで払い戻し倍率(オッズ)は変動する。W杯を対象とした「トト」「ビッグ」の商品も販売している。