日本代表森保監督の続投が正式発表されたことを受け、唯一2度のW杯指揮を誇る元代表監督、岡田武史氏(66=日本協会副会長、J3今治会長)が28日、取材に応じた。日刊スポーツ特別評論家として22年カタール大会の采配を見守り、ドイツとスペインを破った結果を「あくまで私見として」高く評価。初のW杯またぎ留任へ持論と期待を口にした。【構成=木下淳】

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時代は変わった。今までの、W杯が終わって「フリーの監督は?」「よし、誰々が空いている。声をかけよう」という時期は過ぎたと思っていた。世界と渡り合う前は、海外の指導者から刺激を受けて学ぶメリットが大きかった。それが必要な時代は確かにあった。

しかし、毎回4年単位で交代すればスタイルも変わるし、外国人がセットで(ヘッド、GK、フィジカルの各コーチと)来て帰っていけば、また一からだ。オシムのような監督(単身で来日し、日本人指導者も育てる)なら新体制へ残るものもあるかもしれないが。

今は違う。「ジャパンズ・ウェイ」を掲げられるところまできた。自分も、同じ日本人として初めて森保にW杯の経験を引き継げた実感がある。立場上、個人的な考えを述べるが「次の大会へ積み重ねを残す方法にすべき」と思っていた。

大会前「結果で森保の人生は変わる」と言ったが、自らの采配で勝って初続投を引き寄せた。自国代表を率いる「クレージージョブ」に4年半も耐えてきて再び大変だが、ぜひ頑張ってほしい。ドイツ、スペインに勝つ新たな景色は見せてくれた。次は、まだ見ぬ8強へ積み上げてくれれば。