欧州視察中のサッカー日本代表の森保一監督(54)が8日、プレミアリーグのブライトンでブレーク中のMF三笘薫(25)を高く評価した。

公式戦で3戦連発と止まらない男は21年東京五輪や22年W杯カタール大会では途中出場の「ジョーカー起用」が多かったが、好調ぶりに指揮官も「先発でプレーできる力がある」と太鼓判を押す。26年W杯米国・カナダ・メキシコ大会でベスト8以上を目指す、第2次森保ジャパンのエース候補と期待を込めた。

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欧州からオンラインでメディア取材に対応した森保監督は、目尻を下げて笑みを浮かべた。「すごいゴールでしたね」。それは1月29日のFA杯4回戦のリバプール戦での決勝ゴール。空中に浮かせたボールタッチの連続技から右足でボレーシュートを決めた。サッカーの母国を席巻する活躍ぶりに「得点力も、チャンスを作り出す質も上がっている。強度高く守備も貢献できる部分も成長している」。W杯を終え、さらにレベルアップしていることを手放しで喜んだ。

三笘のことは川崎Fでプロデビューする前の筑波大時代から、世代別代表に招集するなどして成長を見守ってきた。東京五輪、W杯カタール大会はともに直前のコンディション不良があったことから控えでの出場が続いたが、いまやブライトンでデセルビ監督が「ベンチに下げることができない」と話すなどフル出場が当たり前になった。森保監督も「先発でプレーできるだけの力はあると思って見ている」と称賛した。

日本代表が目指すのは、26年W杯でベスト8以上の成績を残すこと。世界の強豪に勝っていくため、指揮官は「ここから1シーズン、研究された中でも2シーズンと、できることを積み上げてほしい」とさらなる真価を求めた。また「薫のような選手が2人、3人と出てきてほしいなと思う」と言葉に力を込めた。

3月にはW杯後の初戦となる国際親善試合キリンチャレンジ杯2試合がある。「ベースはW杯の選手になるかもしれないが、より幅広く見て、編成したい」とメンバー選考にも言及した。クラブで実績を残した選手にチャンスを与える指揮官のもとで、三笘が出番をつかむ可能性も高そう。飛ぶ鳥を落とす勢いの25歳が、日本代表でもけん引役を担いそうだ。【岡崎悠利】

◆日本代表での三笘 国際Aマッチ通算13試合。先発4試合、途中出場9試合と主に「切り札」として起用され、出場時間は計602分にとどまる。それでも昨年3月のW杯カタール大会アジア最終予選オーストラリア戦で0-0の後半39分から出場して2得点を挙げるなど通算5得点。1試合90分換算は0・75点を数える。また、W杯カタール大会1次リーグ最終戦のスペイン戦ではゴールラインぎりぎりから折り返した「三笘の1ミリ」などアシストも計3回。ゴールに直接関与した得点とアシストの合計は8回で、1試合90分換算は1・20。三笘が先発フル出場なら1点は生まれる計算だ。