来年のパリ五輪出場を目指すU-22日本代表が、同ドイツ代表と2-2で引き分けた。

昨年のワールドカップ(W杯)カタール大会をほうふつさせる日本対ドイツ。因縁のカードは両チームの持ち味が出た一進一退の好ゲームとなった。

大岩剛監督(50)が送り込んだ先発メンバーは、GK鈴木彩艶(ざいおん、浦和)DF加藤聖(長崎)西尾隆矢(C大阪)木村誠二(FC東京)内野貴史(デュッセルドルフ)MFは山本理仁(G大阪)川崎颯太(京都)山田楓喜(京都)鈴木唯人(ストラスブール)佐藤恵允(けいん、明治大)FW細谷真大(柏)。森保ジャパン同様に4-2-3-1のフォーメーションを組んだ。キャプテンマークは山本が巻いた。

前半9分、鈴木がスーパーセーブで失点を防いだ。相手の強烈なシュートを横っ跳びではじく。右にこぼれたボールを無人のゴールに押し込まれそうになったが、再び体を左へ一気に伸ばし、このシュートも止めた。

しかし前半39分、ペナルティーエリア内でボールをキープするドイツFWヌガンカムを内野が後方から倒し、PKを献上。同40分、ヌガンカムにゴール右へ決められ、日本は先取点を奪われた。

日本も負けていない。失点から3分後の前半43分、セットプレーから追いついた。左CKでニアサイドに入った西尾が頭で後方へ流し、ファーサイドの佐藤が頭で合わせた。1-1でハーフタイムを迎えた。

後半も立ち上がりから激しい攻防。まず開始12秒で日本が勝ち越しゴールを奪った。西尾のロングパスを相手右サイドバックが処理を誤ったところを佐藤がかっさらい、中央へパス。走り込んだ細谷が右足で押し込んだ。

ドイツも黙っていない。同4分、右サイドからクロスが入り、中央へ流れたボールをMFフセインハシッチに右足でシュートを決められ追いつかれた。

その後は鈴木の堅守もあってスコアは動かず。日本は終盤にドイツ陣内で試合を進めたが勝ち越し点は奪えず、2-2のまま終了した。

大岩剛監督(50)は「タフな相手とタフな環境でできた。勝てなかったけど我々のやろうとしたことは少し出せた」と評した。一時勝ち越しのゴールを決めたFW細谷は「(佐藤)恵允(けいん)がうまくボールを入れてくれたので、うまく流し込めた」。ピッチへの対応については「芝がゆるく日本にはない感じで難しかった」とした一方で、「球際はドイツ相手にも負けなかった」と手応えを示した。

好セーブをみせたGK鈴木は「クロスから危ないシーンもあったので、しっかりコミュニケーションをとっていきたい。(今回の欧州遠征は)結果を求めてきたので、勝ちきれなかったのは悔しい。次は必ず勝ちきれるようにしたい」と口元を引き締めた。

28日はU-22ベルギー代表とスペイン・ムルシアで対戦する。

◆パリ五輪の道 アジア最終予選(日程未定)で3位以内に入れば、出場権を得られる。