女子元日本代表「なでしこジャパン」で11年W杯優勝メンバーの岩渕真奈が8日、都内で現役引退記者会見を行い、30歳での引き際に「ベストなタイミングだった」と涙をぬぐった。

冒頭で「引退するとSNSで出した時からいろんな人に『ありがとう』と言ってもらえて。自分のサッカー人生が大好きだと思っていたのが、もっと好きになったし、もうただただ、ありがとうございましたっていう気持ち」と感謝した。

引退理由について、今夏のW杯メンバー落選は関係なく、昨年の両足首手術などを経て理想とする「仕掛けてゴールに向かう」プレーができなくなったことだという。数カ月前から熊谷紗希、長谷川唯、清水梨紗らに相談。「最初は『何言ってんの。絶対ダメ』という反応でしたけど、悩んでいる姿を彼女たちも見ていたので、分かってくれたと思います」と話した。

ずっと瞳を潤ませていた岩渕は、花束を持った澤穂希さんが登場すると目は真っ赤に。「輝かしい現役生活で私も一緒にプレーできたことを誇りに思います。日本のサッカー界のために一緒に頑張っていけたら」とねぎらわれると、最高の笑顔を見せた。【千葉修宏】

◆岩渕真奈(いわぶち・まな)1993年(平5)3月18日、東京都武蔵野市生まれ。日テレの下部組織メニーナからベレーザに昇格。12年からはホッフェンハイム、Bミュンへン、INAC神戸、アストンビラ、アーセナル、トットナムと渡り歩いた。五輪は12年ロンドンで銀メダル、20年東京で8強。W杯3度出場。国際Aマッチ通算90試合37得点。156センチ、54キロ。