26年W杯北中米大会アジア2次予選の北朝鮮戦(21日=国立、26日=平壌)に臨む日本代表に、思わぬ伏兵が立ちはだかる。

セリエA・ユベントスでプレーしたFWハン・グァンソン(25)がメンバーに入る可能性が高まった。北朝鮮初のセリエAプレーヤーで、当時は「北のC・ロナウド」の異名を取った有望株だった。

英国メディア「スポーツ・バイブル」は19日(日本時間)に「3年間行方不明だった北のロナウドはどうなった?」のタイトルで特集を組んだ。記事には「ユベントスは19年にロナウドと比較されていたハン・グァンソンを獲得した。その後、彼の人生は狂った日の連続だった」と報じた。

ハンは北朝鮮初のセリエAプレーヤーで、得点も記録している。スピードとパワー、テクニック、両足を自由に使えることなど、クリスティアノ・ロナウドに比較されることが多かった。

10代の時にイタリアに渡り、ペルージャのアンダー世代チームでプレーした。頭角を現し、プレミアリーグ・リバプールからオファーを受けたが断り、17年に19歳でカリアリに移籍し、セリエAにデビューした。 トリノ相手に得点を記録するなど活躍したが、スタメンにはなれずに、その後セリエAペルージャに移籍した。そこで実績を積み、19年2月に移籍金500万ユーロ(約6億円)でユベントスに移籍した。

しかし公式戦には出場できず、20年1月にカタールリーグのアルドゥハイルに移籍した。そこでリーグ優勝に貢献するなど、コンスタントに活躍したが、その後、サッカー人生が大きく変わった。21年3月に国際連合(UN)が北朝鮮人の海外就業禁止処分を発表し、ハンは強制的に契約終了となった。

3年間、国際サッカー界で姿を消したハンは昨年11月、W杯アジア2次予選のミャンマー戦に出場し、得点を記録した。スポーツ・バイブルは「彼はまだプロの所属チームがない。今度の日本戦で出場するか、注目だ」と報じた。