静岡学園(東海1位)が、あと1歩でプレミアリーグ(L)参入を逃した。延長戦で大津(九州1位)に敗れた。2度追いつき、後半終了間際に与えたPKも阻止。激闘だったが届かなかった。最高峰リーグへの昇格を果たせなかった。

 静岡学園の3年ぶりのプレミアL昇格が、悪夢のような幕切れで消えた。2-2の同点で迎えた延長後半ロスタイム。CKから体ごと押し込まれ、決勝点を許した。ゴール前でMF長尾吉家(3年)が倒れ、イレブンは相手のファウルを訴えたが、判定は覆らず。1分後、無情の笛が鳴った。

 FW加納澪主将(3年)は「勝ちきれない。最後まで課題を克服できませんでした」と悔やんだ。シュート数は、全国選手権でも優勝候補に挙がる大津の18本を上回る26本を放った。だが、県選手権準決勝で敗退した時と同様に、好機を生かし切れなかった。

 一方で粘りは発揮した。常に先行される展開をFW旗手怜央(3年)の左足弾、DF鹿沼直生(3年)のヘッドで2度追いついた。終了間際に与えたPKもGK山ノ井拓己(2年)が顔面で阻止。旗手はドリブルで3人抜きを披露した。FW薩川淳貴(3年)もヒールパスで好機を演出するなど、イレブンは「静学らしい」高い個人技を110分間、最後まで見せつけた。

 川口修監督(42)は「負けたけど、選手はすべてを出し尽くしてくれた」とねぎらった。その上で来季を見据えた。「勝負どころで冷静さを欠いた部分もあった。このレベルでは、そういうちょっとした差が勝負を分ける。来年はもっと個人技で圧倒できるようなチームにしたい」。悔しさを胸に、個々を高めて強いチームを作っていく。【前田和哉】