今大会も脅威の飛び道具が現れた。青森山田が聖和学園(宮城)に5-0で勝利。MF郷家のロングスローが口火だった。前半32分、敵陣ゴールラインから約7メートル手前の右サイドで思い切り助走を取った。「苦しい時間のセットプレーは大事。スローインもセットプレーに入る」。投げたボールは約20メートル先のニアポストに届き、DF三国が頭でつなぎ、最後はFW高橋が頭で押し込み先制点を挙げた。

 郷家は15年の入学後から、前回大会でロングスローを武器に活躍したDF原山海里(現東学大1年)のキャッチボール相手を務めた。「やってみたらそこそこ飛ぶなと。バックスピンをかける感じでやると伸びる」。コツをつかんで、最長飛距離は約23メートルに伸びた。

 夏前に左肩を脱臼し、現在は腰痛も抱える。多投はできないが「なかなか点を取れない時にスローインを武器に点を取れれば」とCK、FKに次ぐ第3の武器にすると意気込んだ。

 ◆2試合連続5得点以上で完封 青森山田が2回戦に続いて5-0、滝川二が2回戦の6-0に続いて5-0と大勝。首都圏開催となった76年度以降、2試合連続5得点以上で完封は、76年度の静岡学園、80年度の浦和南、87年度の市船橋、05年度の鹿児島実に次いで11大会ぶり5、6校目。1大会で2校が記録は初めて。今大会はここまで大差完封勝ちが目立つ。