鹿島入りが内定している東福岡DF小田逸稀(3年)は、まさかの準々決勝敗退に「チームが苦しい時に、自分は何も出来なかった。これが自分の実力です」と言い、悔し涙をこぼした。

 前半4分に左サイドを抜け出し、積極的にシュートを放ったが、試合を通じ、東海大仰星の厳しいプレスに封じ込まれた。「(相手が)ブロックを作るのがうまかった。前半、ボールを支配したけれど、決めるところを決めきれず、相手を崩せず、後半は風下で、なかなかボールが回せなかった。相手は蹴ってくるチームだから、クリアできないのは影響があった」と振り返った。

 高校3年間を振り返ると、涙が止まらなかった。

 「仲間と頑張って3年間やってきたので、厳しい練習にも耐えられた。日本一になろうと頑張ったのに…自分たちの高校サッカーが終わった。申し訳なかった。高校サッカーで成長できたことが、プロという結果につながったけれど…選手権はみんなで取りたかった」

 卒業後は、Jリーグと天皇杯を制し、クラブW杯で準優勝を果たした鹿島で、新たな一歩を踏み出す。「今よりも厳しい環境にいく。今日、自分はチームのために何も出来なかったので、チームに必要とされるサイドバックになりたい」と、自分に言い聞かせるように言った。【村上幸将】