ヴァンフォーレ甲府には、またしても後半ロスタイムの悪夢が待っていた。

 0-1の後半終了間際、途中出場のMF道渕諒平(22)がペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得した。キッカーは仙台から新加入のFWウイルソン(31)。左隅を狙ったシュートは相手GKに阻まれ「あそこに蹴ることは決めていた。もっとコースを狙った。悔しいですが、前を向いていきたい。ナイスセーブだったと思います」。開幕節のアウェーG大阪戦では1-0でリードした後半ロスタイムに同点弾を喫しただけに、2試合連続で最後の落とし穴だった。

 ホーム開幕戦で1万3199人の観衆を集めたが、シュートはPKを含むウイルソンの2本のみ。サイドで起点をつくっても、ミスやクロスの精度を欠いた。主将のDF山本英臣(36)は「今年はマイボールの時間帯を多くしようと話しているが、強いチーム相手に臆病になってしまった。僕たちは前評判通り下のチームだと思うので、地に足をつけて前進したい。PKが入っていればとかはあるけれど、メンタル的に上を向くしかない」と話した。甲府に復帰したMF堀米勇輝(24)は両足をつって途中交代。「本当にこみ上げるものがありましたし、もっと進化しなくちゃいけない。数少ないチャンスを仕留めきるところを突き詰めることが大事」と、次節以降の初白星に挑む強い姿勢を示した。【鎌田直秀】