横浜F・マリノスが今季初の3連勝を飾った。フィールドプレーヤーとしてはJ1歴代単独2位となる、138試合連続フル出場を達成したDF中沢佑二(39)を中心に、今季初の2戦連続完封。後半43分にMF天野が挙げたプロ初ゴールを守りきり、中沢が「マリノスらしい勝ち方」という1-0のスコアで東京を破った。25日のヴィッセル神戸戦で浦和MF阿部が持つJ1歴代1位の139試合連続フル出場に並ぶ。

 連続フル出場を続ける“鉄人”中沢は、痛みをこらえて冷静に切り抜けた。前半25分、左サイドからのFKで前線に上がった。チームでも日本代表でも、何度もゴールしてきたヘディングを警戒され、混戦の中で顔面にひじ打ちを食らった。「(東京DF)森重のひじが入った。目の辺りにずれていたら骨折していたと思う」と試合後に振り返った場面は、うずくまって痛がった。だが怒ることもなく、痛みが和らぐとすぐに定位置に走って戻った。

 今季初先発となったDF栗原と昨年9月以来、約9カ月ぶりに先発でセンターバックを組んだ。「安心して背後を任せられる」と、信頼を寄せる元日本代表コンビで、東京攻撃陣にゴールを割らせなかった。終盤に奪った天野の1点を守りきり「マリノスらしい勝ち方」と、自身が築き上げてきた伝統の横浜の守備力を示す1-0勝利を喜んだ。

 約4年間続けてきた連続フル出場を、138試合まで伸ばした。試合前まで137試合で並んでいた、広島DF水本を抜いてJ1歴代単独2位。次節は今月途切れたばかりの浦和DF阿部が持つ、フィールドプレーヤー1位の139試合の記録に挑む。それでも「記録のためにやっているわけではない」が信条。来年は40歳になるベテランは、試合後も入念に体をケアして誰よりも遅く会場を後にした。【高田文太】