鹿島アントラーズが、途中出場した高卒新人FW安部裕葵(ひろき、18)のJリーグ初ゴールなどで、3-0とヴァンフォーレ甲府に快勝した。

 首位セレッソ大阪に勝ち点1差と迫り、2位をキープした。

 2-0で迎えた後半45分、MFレアンドロ(24)のスルーパスを右足で受けると、巧みな切り返してGKをかわした。左足で瞬時にシュート。天皇杯では得点を経験しているが「正直、遅かったかなと思う。得点に絡むことが僕の持ち味。今まで絡めていなかったのが不思議なくらい。みんなに見てもらえる場で結果を出せて、ホッとしています」とリーグ戦初弾。「レアンドロのパスが9割。良いところに通してくれて、自分は、ただただジョギングくらいの感覚で走った。自分勝手といういいかたが正しいかは分かりませんが、自分が動いたのを見て、先輩方が動いてくれる」と仲間に感謝した。

 後半1分にはFW金崎夢生(28)が左足で決めて先制。同17分には金崎が上げた難しいバウンドの左クロスを、FW鈴木優磨(21)が右足ボレーで合わせて加点した。チーム2点目に関し、金崎が「形自体もすごくきれいでしたし、良かった」と言えば、鈴木は「僕自身は難しいクロスだと思いましたけれど、出した夢生くんが良いクロスと言っているので、決められて良かった。難しいくらいのほうが、俺は決められる」と胸を張った。

 これで大岩剛監督(45)就任後、リーグ戦7戦無敗となった。試合後には93年のJリーグ開幕時からクラブスタッフとしてチームを支え、今月末で定年退職する道免(どうめん)弘子さん(60)の“引退式”をピッチ上で開催。ラストマッチとなった甲府戦勝利も送別の品に加えた。【鎌田直秀】