浦和レッズの巻き返しは、5年半で磨かれた攻撃的なサッカーを取り戻せるかにかかっている。ペトロビッチ監督の戦術は特殊だ。攻撃時は3バックのうち中央を除く2人と両サイドMFがそれぞれ1列前に出て、ボールをとられても前からプレスをかけて再奪取し、攻撃に転じるという前がかりなものだ。

 今季はさらにボール支配率を高め、レベルアップさせることを目標に掲げたが、機能しなかった。そのため守備的な布陣採用するなど戦術が試行錯誤。それが選手の混乱を招き、不振につながった。

 ペトロビッチ監督就任後、リーグ戦のタイトルこそないが、昨季はチームを年間勝ち点1位に導くなど、その功績は計り知れない。一方で現状のままでチームが好転することは困難。昨季の好調時の豊富な運動量、それによって成り立つハイプレスを取り戻すため、クラブは解任に踏み切った。【浦和担当・岡崎悠利】