Jリーグで異例の試みとなる「エスコート女子大生企画」に101人の応募があった。

 J2のFC町田ゼルビアは16日の名古屋グランパス戦で4年制大学、大学院、短大、専門学校に通う女性の学生を対象に、選手とともに入場する女子学生を募集。また、当日学生証を持参した女子学生に対しては、ホーム自由席チケットをプレゼントする。クラブによると、Jリーグで女子学生に焦点を当てたイベント企画は初めてとなる。

 想定以上の反響、応募数に、クラブ側も驚きを隠せない。このほど締め切られた女子学生の公募は、北は新潟、南は大分から101人の応募があった。当選倍率は4倍近くまで跳ね上がった。FC町田ゼルビア事業部営業・ホームタウン推進課課長の星大輔さん(36)は「24人の枠全員が埋まるかどうかも正直不安でした。想定していたよりもたくさんの応募をいただいて…」と笑みをこぼした。当選者には近日中に通知するという。

 リーグ戦の試合日程が決まった1月下旬、クラブ関係者で日程と記念日を照らし合わせた。名古屋戦の行われる8月16日が「女子大生の日」ということが分かり、企画が立ち上がった。J1優勝経験のある名古屋との対戦は注目度も高く、企画を行う好機だ。女子学生を呼んで何ができるかを話し合った結果、勝敗に左右されないエスコート企画にたどり着いたという。普段は子供と選手が手をつないで入場するため「エスコートということは、選手と女子学生が手をつなぐのか」「試合前のセレモニーとして相応しいかどうか」などを関係者内で検討を重ね、クラブの旗を手に入場する形に決定した。同事業部広報課・商品企画課長の近藤安弘さん(38)は「インターネットでの反響を増やすことで、町田の存在感を大きくしたい」と狙いを語る。実際に、今回の企画ではツイッターをはじめとするSNSで拡散され、普段の10倍程度の反響の大きさを実感しているという。今後は、敬老の日や母の日などに合わせたイベントも計画している。

 J2で15位に位置する町田は新規女性サポーターの獲得にも力を入れている。J2全体の観客の男女比は男性61・5%と女性38・5%だが、町田は男性66・1%、女性33・9%と男性比率が高い。2015年の1試合平均観客数は3134人、2016年は5123人と、観客動員は増加傾向にある。また、サポーター歴1年目の人数の割合がJ1、J2合わせて最も高い16%を占める。現在、本拠地である町田市陸上競技場の収容人数は、J1のスタジアムの基準となる1万5000人に満たないため、昨季はJ1ライセンスを断念した。サポーターの獲得に向けて、記念日マッチなど多様なアイデアを出しながらのクラブ努力が続けられている。

 エスコート女子大生も登場する第28節名古屋戦は、16日午後7時、町田市立陸上競技場でキックオフ。