横浜FCが、今夏加入したFWレアンドロ・ドミンゲス(34)の、後半ロスタイム5分の劇的な同点弾で、首位湘南ベルマーレとのJ2神奈川ダービーに引き分けた。

 1点を追う試合終了間際、MF佐藤謙介が左サイド深くまで進入して上げたクロスを、ファーサイドで待ち受けたドミンゲスが右足でゴールに押し込んだ。ドミンゲスは両手を何度も握り締めて喜びを爆発させた。

 先制したのは湘南だった。前半34分、MF杉岡大暉(18)の左クロスに反応したMF藤田征也(30)が、右から中央に走りながらDFが伸ばした足をかわして頭で押し込んだ。喜びのあまり、ピッチ上を疾走する藤田をチームメートが囲み歓喜の渦が出来た。

 後半13分、今度は藤田が湘南の2点目をアシストした。藤田が右CKをニアサイドに蹴りこむと、FWジネイ(33)がヘッドでゴール左に押し込んだ。ジネイと藤田は固く抱き合い、喜びを分かち合った。

 後半26分、横浜FCが1点を返した。ドミンゲスが右サイドから中央にドリブルで仕掛け、右足で豪快にゴールにたたき込み、加入から7試合で横浜FCでの初ゴールを決めた。ドミンゲスのJリーグでのゴールは、J1名古屋グランパス時代の14年8月16日のガンバ大阪戦以来3年ぶり。日本での公式戦のゴールは、同9月10日の天皇杯4回戦ザスパクサツ群馬戦以来。J2でのゴールは、柏レイソル時代の10年12月4日のザスパ草津戦以来、6年9カ月ぶり。

 湘南にとっては、ベルマーレ平塚時代の99年に経営再建のために撤退したフジタが、18年ぶりに袖スポンサーとして復帰したフジタを記念した「フジタスペシャルデー」という負けられない1戦で、後半は主導権を握ったが、土壇場で横浜FCが意地を見せた。FWカズ(三浦知良=50)はベンチ入りしたが、出場機会はなかった。