北海道コンサドーレ札幌が本拠地・札幌ドームで6位ジュビロ磐田を2-1と逆転で下し、今季初の2連勝を飾った。1点を追う前半40分、先月末に第1子が生まれたばかりのエースFW都倉賢(31)が同点弾。後半39分にはFWヘイス(28)が、J1ではクラブ史上5人目となる3試合連続得点を決めて勝ち越した。J1での連勝は残留した01年以来、実に16年ぶり。激しさを増す残留争いに弾みをつけた。

 6度目の挑戦で、ようやく1つ、壁を越えた。敵地で8戦連続負けなしと“アウェーの鬼”だった磐田を、今季初の2連勝で退治した。四方田修平監督(44)は「チームが力をつけてきたことを実感できた試合だった」。逆転での爽快な勝ち点3に、確かな自信がにじんだ。

 1点を追う前半40分、右サイドの敵陣深くから、MF早坂が相手守備をかわす絶妙なタイミングでクロスを供給。FW都倉が守備の裏へ抜け出し、左足を振り抜いた。都倉は「ヘイスがニアでつぶれてくれたおかげで、エアポケットのようにスペースが空いた。無意識に体が動いた」と振り返った。

 先月末、待望の第1子となる長女が生まれたばかりで、すでに3度もお風呂に入れてあげるなど、パパぶりを発揮している。得点をお膳立てした早坂らと歓喜のゆりかごダンスを披露した背番号9は「人生、こういうタイミングでゴールを取れることはそうそうないし、すごくうれしかった」と、にっこり笑った。

 さらに後半39分、MFチャナティップの縦パスを起点に、MF小野、MF石川と左サイドに展開し、FWヘイスが勝ち越し弾を押し込んだ。J1で08年のダビ以来、クラブ史上5人目の3試合連続得点。ヒーローは「最後のセンタリングがすばらしかった。今日はみんなでつかんだ勝利」と、あくまで謙虚。選手で一列となって、ゆりかごダンスを踊り、都倉と同じく先月、男児を授かった途中出場のジェイを祝福した。

 この日の勝利を含め、本拠地で磐田に5戦連続負けなし。「残り9試合。まだ、アウェーで勝っていないので、なんとか打破できるよう頑張りたい」と四方田監督。J1残留へ近づくために、次は敵地未勝利の壁を越える。【中島宙恵】

 ◆札幌のJ1での3試合以上連続得点 01年FWウィル(8月18日FC東京戦~9月15日清水戦)、08年FWダビ(10月26日川崎F戦~11月30日名古屋戦)の4試合連続が最多。3試合連続は98年にFWバルデスが2度(<1>7月25日横浜F戦~8月1日広島戦<2>10月31日V川崎戦~11月7日市原戦)、同年にMF棚田(11月3日神戸戦~同14日横浜F戦)が記録。ヘイスで5人目、6度目。