湘南ベルマーレのお膝元、平塚駅前の商店街で15日、J2第37節、湘南-名古屋グランパスのパブリックビューイングが行われた。小雨が降る中200人のサポーターが集まり、勝負の行方を見届けた。

 湘南は2-3で敗れ、この日の昇格決定はならなかったが、湘南サポーターは前向きだった。これまで優勝や昇格のタイミングはいつもアウェー戦だった。昇格決定は最短で29日の第39節ファジアーノ岡山(BMWス)。ホーム戦で歓喜を味わえる可能性があり、サポーター歴23年の須納瀬和之さん(44)は「逆にホームに持ち越して良かったのかもしれない」と苦笑いした。初めてパブリックビューイングを訪れたという吉川枝里さん(27)は「少しでも応援したいと思って観に来た。29日(岡山戦)は観に行くので、ホームで優勝と昇格を見られたらいいな」と胸を躍らせた。

 平塚市中心街イベント実行委員の伊藤昌博さん(44)を中心に、サポーター有志も協力しながら08年からパブリックビューイングを継続してきた。サポーターの熱気を商店街に集めて、町を元気にしたいとの思いでスタート。09年のJ2最終節、水戸ホーリーホックとのJ1昇格を争った一戦では、2会場で合計1600人のサポーターが集まった。伊藤さんは「パブリックビューイングをしたことで、町とベルマーレが1つになってきている」と変化を実感している。パブリックビューイング開始以降、サポーターたちが街を湘南のユニホームを着て歩くようになり、町の人々も「今日は勝った?」と湘南の動向を気に掛けるようになったという。

 今季の残りのアウェー戦でのパブリックビューイングは、11月5日の第40節アビスパ福岡戦をららぽーと湘南平塚で、同月11日の第41節FC岐阜戦を湘南モールフィルで行う予定。湘南のJ1復帰、J2優勝を、町全体が心待ちにしている。