最強のツインタワーで、ついに敵地の呪縛を解いた。北海道コンサドーレ札幌は11位FC東京を2-1で下した。FWジェイ(35)の2試合連続2得点、FW都倉賢(31)の2アシストで、開幕から15試合目で今季敵地初勝利を挙げた。今季初の4戦連続勝ち点をゲットし13位をキープ。早ければ次節鹿島戦(札幌ドーム)で、16年ぶりのJ1残留が決まる。

 やまない雨の中、最強のツインタワーが、負の連鎖を断ち切った。後半2分、敵陣ハーフウエーライン付近からDF福森のフリーキック(FK)をFW都倉が頭でペナルティーエリア(PA)中央に落とし、FWジェイが体勢を崩しながらも右足を振り抜いた。ゴール右に突き刺さる先制弾は、足技で。同14分には、都倉の左クロスにジェイが頭を合わせて2点目。2試合連続2得点と絶好調のヒーローは「ゴールは決めるのは、もちろんうれしい。でも、今日はチームメートのおかげ」と、仲間たちに感謝した。

 身長190センチのジェイと187センチの都倉がゴール前に立つのだから、相手にとっては脅威だろう。今夏途中にジェイが加入して、すぐに意気投合。はっきりと自己主張するジェイに、都倉は「日本人より、僕には合っているみたい」。ともに8月に子どもが生まれるなど、共通点も多い。「ピッチの中でも外でも良い友人。都倉はチームのために、いつも走っている。僕たちはいいコンビになるよ」とジェイ。今季15試合目で初のアウェー勝利に、自然と笑みが広がった。

 今季初の4試合連続勝ち点で、16年ぶりの、J1残留が現実味を帯びてきた。早ければ、次節鹿島戦で決まる。都倉は「シーズン当初はJ1のネームバリューに圧倒されていたけど、少しずつ成長し、今日実を結んだのだと思う」。残り4試合で、チームの雰囲気は最高潮。勢いに乗り、一気に残留を決める。【中島宙恵】

 ◆札幌のJ1残留の可能性 札幌は第30節終了時点で勝ち点34。最短で29日の第31節鹿島戦(札幌ドーム)で、15位以上=残留が決まる。同節での決定条件は札幌が勝ち(34→37)16位広島が負け(27→27)の場合のみで、札幌が第32節以降の残り3試合を全敗し広島が全勝しても、広島は勝ち点で届かない。