セレッソ大阪が川崎フロンターレを2-0で下し、Jリーグ参入23年目で初のタイトルを獲得した。開始直後に相手ミスを突いて挙げた、ルヴァン杯初出場の日本代表FW杉本健勇(24)のゴールが決勝弾となった。

 クラブの前身ヤンマーは天皇杯などでも優勝した名門だが、C大阪となって94年にJFLで優勝し、翌95年にJに参入して以来、リーグ戦ではJ2で2位が2回、天皇杯で準優勝3回とここまで無冠だった。この日の優勝で新たな歴史が始まった。

 敗れた川崎Fは8度目の準優勝(リーグ3回、ルヴァン杯4回、天皇杯1回)となった。

 C大阪がいきなり先制した。キックオフから1分後、柿谷が頭で落としたボールを川崎F・DFエドゥアルドがクリアミス。これを杉本が拾い、GKチョン・ソンリョンと1対1になったところを冷静に右足でゴール右隅へ決め、C大阪が早くも1-0とリードした。

 先制を許した川崎Fだが、失点後は細かなパス回しでポゼッションで圧倒して優位に試合を進める。16分には右サイドで家長、中村のパス回しからエウシーニョがペナルティーエリア右から強烈な右足シュートを放つが、相手GKキム・ジンヒョンの好守に阻まれ、25分には小林がヒールで狙ったが相手DFにはじかれるなど決定機を作るがC大阪の堅守の前にゴールを割れない。

 自陣で守備に終われていたC大阪だが41分、カウンターから相手クリアを清武が右足ミドルシュート。枠に飛んだが相手GKチョン・ソンリョンにはじき出された。

 川崎Fがほぼ相手陣で攻め込む展開が続いたが、C大阪がしのぎきり1-0でリードして前半を終了した。

 C大阪のキックオフで後半開始。川崎Fは前半あまり攻撃に絡めなかった左サイドの三好に代えて長谷川を投入した。

 川崎Fは4分、エウシーニョの右クロスをダイレクトで小林が右足シュートもGK正面。後半も川崎Fが押し気味に試合を進め、10分にも家長のクロスを小林がオーバーヘッドの右足シュートを放ったが、枠を外れた。

 C大阪は16分、柿谷がようやく後半初シュートを放つがGK正面。

 川崎Fは右サイドから家長が何度もクロスを上げるがゴールに結びつかない。22分にもやわらかい浮き球に長谷川が頭を合わせるが、枠を外した。30分にはDFエウシーニョに代えてFW知念を投入。さらに36分にもエドゥアルド・ネットに代えFW阿部をピッチに送り前線を厚くした。

 C大阪は39分、柿谷に代わりMF山村、44分には木本に代わりDF山下も投入し、逃げ切りを図る。

 圧倒的に攻め続けた川崎Fだが、正確性を欠いたこともあり相手の3倍近い14本のシュートを放ったが結局ゴールは割れず、C大阪がロスタイムにソウザが決定的な2点目を挙げ2-0で逃げきった。

◆スタメン(◎は日本代表)

 【C大阪 4-4-2】

▼GK キム・ジンヒョン

▼DF 松田、ヨニッチ、木本、丸橋

▼MF 水沼、◎山口、ソウザ、清武

▼FW ◎杉本 柿谷

※控え GK丹野、DF山下、田中、MF福満、山村、秋山、FW沢上

 【川崎F 4-2-3-2】

▼GK チョン・ソンリョン

▼DF エウシーニョ、谷口、エドゥアルド、◎車屋

▼MF エドゥアルド・ネット、大島、家長、中村、三好

▼FW 小林

※控え GK新井、DF登里、飯倉、MF長谷川、森谷、FW知念、阿部