米子北(鳥取=8年連続13回目)が山梨学院(2年連続6回目)に逆転勝ちした。前半23分に、警戒していた相手のU-18日本代表FW加藤拓己(3年)にFKから頭で先制点を奪われたが、8分後にMF坂田二千翔(にちか、3年)がヘディングで同点に。後半7分にはFW葉間田累(2年)が右足でこぼれ球を押し込んで勝ち越した。

 2大会連続の初戦突破に中村真吾監督(43)は「まず(空中戦に強い)加藤君には競り負ける前提で、そこに蹴らせない、センターバックとボランチの3枚で挟んでカバリングすることを徹底させた」。先制は許したが「終わった時点で勝っていればいい」と落ち着かせ、リード後は「山梨学院さんがプリンス(リーグ関東)で2点差を逆転して勝っている試合を2試合ほど見ていた」と気を抜かせなかった。

 スタンドにはOBの日本代表DF昌子源(25)の姿があった。「会場に着いた瞬間、失点した…」と苦笑いし「今まで応援に来た試合すべて負けていたので。勝ってくれて良かったです」。昨年度は鹿島アントラーズの天皇杯決勝が控え、14年度はアジア杯オーストラリア大会の代表に選ばれていたため観戦できず。そこでは母校が勝っていたものの、ほかは初戦敗退。ようやく、中村監督や恩師の城市総監督を笑顔で祝福することができ、うれしそうだった。

 昌子は試合後、ロッカールームを訪れて「みんな頑張っていた。次も応援してるから」と激励。同じセンターバックの三原貫汰主将(3年)は「昌子さんと同じグラウンドで練習できている。プレーから学ぶことは多い」と感謝した。

 1月2日の2回戦では仙台育英(宮城)と対戦。勝てば過去最高タイの16強に進出できる。目指すは初8強も、三原は「1試合1試合を大切に。(高円宮杯)プレミアリーグWESTでは点が取れないので1点を大事に守ってきた。次もその意識で、やってきたことをやり続けたい」と意気込んでいた。