高松商(香川=2年連続23回目)が、仙台育英(宮城=5年ぶり32回目)に競り負け初戦で敗退した。

 前半5分と前半ロスタイム1分という嫌な時間帯に両方セットプレーから失点し、2点ビハインドで後半を迎えた。

 川原寅之亮(とらのすけ)監督(44)が「あまりにも前半は自分たちのサッカーができなかったので、ロッカールームにテレビカメラが入ってることを忘れるくらい、激しいゲキを飛ばした」というカミナリが奏功。選手の背筋が伸び、一転して優勢に。猛攻の中で後半11分にMF中野瑛登(あきと=3年)が左足で1点を返すと、その7分後、途中出場のMF横内和真(3年)がこぼれ球を左足で蹴り込んで一気に追いついた。

 その後もチャンスを迎えたが、GKに阻まれるなど逆転まではできず。川原監督が「自信があった」というPK戦に突入するかと思われたが、後半ロスタイム3分に再びセットプレーから決められた。相手FKからのヘディングを防ぐことができず、力尽きた。

 就任1年目の川原監督は全国初陣を飾れず。「2点差を追いつくところまでは『高商』らしさは出せて良かったんですが…。想定していたセットプレーで3失点したのは私の責任。甘さが出てしまった」と悔しがっていた。