青森山田の2連覇はならなかった。

 前半25分、J1のセレッソ大阪に内定しているFW安藤瑞季(3年)にDFが振り切られ、中央右から3戦連続のゴールを決められて先制点を献上。

 その後はJ1ヴィッセル神戸内定のエースMF郷家友太(3年)のロングスローや、J2モンテディオ山形内定のFW中村駿太(3年)を中心に攻め立て相手より9本も多い15本のシュートを浴びせたが、無得点に終わった。

 徹底したマンマークにペースを乱された。郷家にはDF嶋中春児(3年)が、中村にはDF諸石一砂(3年)が張り付いた。何度もチャンスをつくったが、ゴールネットを揺らせなかった。郷家は悔しさをにじませながら、下を向いた。

 「先制を許し、焦りもあった。相手の5番にマンマークされて、組み立てができなかった。自分も含めて視野が狭かった。優勝は狙っていた。こんなところで負けるとは」

 試合後、黒田剛監督(47)も肩を落とした。「点数をとれるチャンスは何本もあった。決定力、精度、去年のチームとは決定的に違う。多くのチャンスをつくったけど、運がなかった」と神妙な面持ちで語った。相手の小嶺忠敏監督(72)の勝利者インタビューを引き合いに出し「神様が勝利をプレゼントしてくれたと言っていたけど、向こうは歯を食いしばってやっていた。相手の方がもっと(練習を)厳しくやってたんじゃないか」と負けを認めた。