ベガルタ仙台が異例の「トロイカ体制」で今季に臨む。沖縄キャンプ中の19日、MF富田晋伍(31)MF奥埜博亮(28)DF大岩一貴(28)の3人が、今季の主将を務めると発表した。これまで富田が3季連続で務めてきたが、複数主将制度は渡辺晋監督(44)の就任5年目で初。次世代候補を含めたリーダーシップ体制に移行し、リーグ戦5位以内の目標達成に挑むこととなった。

 「3本の矢」を結集して、リーグ戦5位以内、カップ戦ファイナリストの目標を達成する。指揮官が狙いを明かした。

 渡辺監督 3人足して1じゃなく、1人1人がキャプテンの自覚を持ってやってもらいたいと伝えた。晋伍も自分のプレーに集中したいという思いもあるので、少しでも負担を軽減させてあげたかった。ただ、このチームは、生え抜きで在籍が長い人間が震災のことを含めて主将として伝えていかなければならない。晋伍にはそういう面でも期待しているし、俺が監督をやっている以上、お前がキャプテンだと伝えました。

 富田は昨年9月、左太もも裏肉離れで初の長期離脱を余儀なくされ、キャプテンマークを大岩に託した。今回、キャンプイン直前に打診を受け1度は固辞。しかし、強い説得と複数主将体制を打診され、心を動かされた。

 富田 監督が自分を信頼してくれていると感じた。タイミング的にも一貴に任せられればいいと思っていましたが、それでもやってくれと言われてぐっときました。3人で責任を果たしていきたい。

 昨季終盤から継続することになった大岩は「昨年は何もできずに手探り状態だった。反省点を踏まえてウオーミングアップで先頭を走ったりできることを増やしていきたい」と気を引き締めた。奥埜は「チームとして責任ある行動をしろという意図があると感じた。予想もしていなかったがやるしかない。口に出すことで自分にも責任が出てくる。(物静かな)晋伍さんも主将になって人が変わったので」とキャリアアップを誓っていた。【下田雄一】