昨季限りで引退し、18年間の選手生活を終えてFC東京のスタッフ(クラブコミュニケーター)に転身した元日本代表MF石川直宏氏(36)が28日、現役最後のファンミーティングをブルーノート東京で開いた。08年に渋谷で50人を集めて始まり、今回で8回目。2回計400人のファンを集めて現役生活を振り返り「18年間は本当に早かった。膝が痛くて、もうプレーできないと思ったので切り替えられています。まだやれたら違ったかもしれないですけど」と完全燃焼できたことを感謝した。

 26日に引退した後輩のFW平山相太氏(32)から事前に連絡を受けたことを明かし「決心した力強い声を聞いて自分の時と重なったし、安心した」。昨年8月の自らの引退時を思い出し「はっきりした、次を見据えた口調でしたね」と振り返った。

 今季から就任する「クラブコミュニケーター」の役割と抱負については「FC東京というチームは変えるところがいっぱいある。新たな立場で、選手もスタッフも強く愛されるクラブにしたい。これまでも皆さんとは距離が近い存在だと思ってましたけど、試合会場とかでお会いしますし、もっと近くなると思います」とあいさつした。仕事内容は未定だが多岐にわたる予定で「これから外に出て学んだことを還元し、反対にFC東京で学んだことを発信していきたい。いい相乗効果が生まれれば」とクラブ発展に尽くす構えを見せた。

 同じ神奈川・横須賀出身のレゲエ歌手Rickie-G(37)もゲスト参加した。ファンだった石川氏が「ホームページの連絡先に自らメールして『ぜひ自分のファンミーティングに来てください』と依頼しました」。沖縄・石垣島キャンプで「ヘトヘトだった時に聴いてパワーをもらった」といい、ステージ上で歌唱する場面もあった。

 抽選会では、引退試合となった昨年12月3日のJ3リーグ最終節で着用したユニホームやリハビリ中に履いたスパイクなどをプレゼント。千葉県内で自ら花を摘んで作った花束を第1部で母親に贈り、第2部ではファンと司会の日々野真理さんに手渡して涙を誘っていた。

 今後は、長谷川健太新監督(52)を招いてリーグ初優勝を目指すクラブを裏方として、時には前面に出ながらサポートしていく。