26日に51歳の誕生日を迎えた横浜FCのFWカズ(三浦知良)がド派手な祝福を受けた。27日、横浜市内で練習を再開。ピッチで仲間からバズーカ型クラッカーで祝福されると、練習後に黄色のスーツ姿に着替え、報道陣から特大ケーキを受け取った。8月にりさ子夫人(50)と結婚25年の銀婚式を迎えるレジェンドは「5人抜きゴールでマラドーナとメッシを驚かせたい」と大きな目標を掲げた。

 51歳の誕生日のスーツは「黄色」だった。黒のシャツ、青のネクタイのコーディネートで総額約80万円。カズは、「51」のプレート入りの3段ケーキを受け取ると「(ケーキが)年々、派手に大きくなっているので、僕の衣装もそれについていけるように」と笑わせた。親交のあるイチロー外野手の背番号と同じ年を現役で迎え「光栄ですね」と話し、今年の目標に「5人抜きしてゴールして、マラドーナとメッシを驚かせたい」と“伝説の5人抜き”に名を連ねることを掲げた。

 25日の松本との開幕戦は0-0で引き分け、カズはベンチ入りも出番はなかった。26日の誕生日はチームの練習はオフ。それだけに、当初は「プロとしてしっかり仕事をした上でこういう場に立ちたい。やっていいのかな」と複雑だった。だが、テレビ局を含む約40人の報道陣が「51歳Jリーガー」の門出に駆けつけ「平昌五輪の中でも、こんなに集まってもらえるとは…。あらためて、自分は本当に幸せ者」と感謝し、練習後にスーツに着替えて対応した。

 93年にJリーグが開幕して以降、毎年リーグ戦の試合出場を重ねる唯一の存在だ。現役で迎えるリーグ25周年に「誇りも感じますし、責任も感じます。51歳は関係なく、自分がピッチに立って、ゴールをして、勝利に貢献することがすべて」と気を引き締める。93年8月1日に結婚したりさ子夫人とは、今年8月に銀婚式を迎える。「プロサッカー選手として銀婚式を迎えるのも僕が初めてではないかと」。長男の良太さん(20)は若手チームメートと同年代で「早くおじいちゃんになりたいですね」と“おじいちゃんJリーガー”の夢まで飛び出した。

 昨年末と1月の自主トレーニングでは、例年以上の走り込みを敢行した。「1年通して試合に出ないとコンディションも上がらない。どのぐらい試合に出て、出場時間が延ばせるか」。今もなお、努力と挑戦を惜しまないレジェンドは、まだまだ世界を驚かせる覚悟だ。【岩田千代巳】