J3ブラウブリッツ秋田がリーグ連覇と悲願のJ2昇格に挑む。リーグは9日に開幕、秋田は10日に敵地でセレッソ大阪U-23と対戦する。J2ライセンスがなく、昨季は優勝しながら昇格できない無念さを味わった。今年中の同ライセンス取得に動いており、今度こそ優勝、昇格が合言葉。先発陣は昨年からセンターバック1人が抜けただけで、有力8選手も加わった。6日は秋田市のあきたスカイドームで練習をこなし、開幕ダッシュに闘志を見せた。

 開幕戦初勝利から「昇格街道」を突き進む。J3参入初年度の14年から昨年まで3分け1敗と、まだ開幕白星がない。3年連続で主将を務めるDF山田尚幸(30)は「アウェー3連戦なので、勝ち点9を取ってホーム開幕戦につなげたい」と意欲を見せた。

 基本システム3-4-2-1。先発陣は昨年の主力10人が健在だ。さらにチーム最年長になるベテランFW藤田祥史(34)ら8選手が加わり、各ポジションの層も厚くなり、競争意識も高くなった。2月の高知キャンプでは新旧選手の融合を図り、「堅守多攻」のチームスタイルを追求してきた。開幕を間近に控え、就任2年目の杉山弘一監督(46)は「初戦のメンバーをどうしようかと日々考えている」とうれしい悩みを打ち明けた。

 1トップは昨季チーム得点王(15点)の田中智大(27)と、Jリーグ通算296試合出場で計78得点の藤田が競い合い、チーム最年少の新加入FW吉平翼(20)も2シャドーの一翼を争う。それぞれタイプの違う選手たちが同位置のポジション争いを展開。攻撃バリエーションが増え、質も向上した。杉山監督は「おごらず謙虚にチームとして戦う。(戦術を)今言ったら面白くない。チームとしてのパフォーマンスを楽しみにしてほしい」と連係プレーに自信を示した。

 C大阪U-23とは過去2勝1分け1敗、計6得点6失点。勝ち越しているが昨年11月の直近のホーム対決は0-3で完敗している。今季、各チームから追われる立場になった山田尚主将は「マークもきつくなると思う。最後まで諦めない気持ちと運動量で勝ちたい」とJ2昇格につながるリーグ連覇を目標に掲げた。【佐々木雄高】