レノファ山口FCが、開幕3連勝と勢いが止まらない。

 日本サッカー協会で強化担当技術委員長などを務めた霜田正浩新監督のもと選手が躍動。5-2で大勝した11日の栃木SC戦では、J1浦和レッズから期限付き移籍したFWオナイウ阿道が開幕から3戦連発、しかも2ゴールの大爆発。東京ヴェルディから期限付き移籍中のFW高木大輔も、ロアッソ熊本との開幕戦以来、2戦ぶりのゴールを決めれば、17年から山口でプレーするMF小野瀬康介も熊本戦以来のゴールと、新戦力と既存の勢力が刺激し合っている印象だ。

 第4節で山口をホームに迎え撃つ水戸ホーリーホックも、2勝1分けの3位と好調だ。長谷部茂利新監督の元、堅い守りとボールを大切に保持し、攻撃につないでいくサッカーで今季は進境著しい。17年は、山口が勝ち点1差で降格圏を逃れた20位なら、水戸も14位と中位以下だった。今季、旋風を巻き起こす両チームの対戦はJ2序盤戦を占う1戦となりそうだ。

 山口と並び、開幕から3連勝と好調の2位ファジアーノ岡山が、アウェーで松本山雅と対戦する1戦も見逃せない。岡山は今季3試合を終え、いまだ無失点の堅守が光る。対戦相手の松本から4年ぶりに復帰した、DF後藤圭太が守備の軸として期待通りの活躍をしている。J1ジュビロ磐田から獲得したMF上田康太の、左足から繰り出される正確なキックと中盤での組み立ても、チーム躍進のカギだ。

 一方、反町康治監督が7季目の指揮を執る松本だが、開幕から2分け1敗と、課題のスタートダッシュにまたも失敗した。J1名古屋グランパスからFW永井龍を獲得。期限付き移籍先の水戸で17年に13得点と大ブレイクのFW前田大然を、大宮アルディージャからは反町監督のサッカーを熟知するMF岩上祐三を3年ぶりに、それぞれ復帰させるなど、攻撃面での上積みを期待できる補強をしたが、苦しんでいる。

 松本は17年は8位で、J1昇格プレーオフを寸前で逃したが現在17位。同じく7位でプレーオフを逃した徳間ヴォルティスは12位、6位でプレーオフに進出もJ1昇格を逃したジェフユナイテッド千葉は20位、勝ち点1差の16位でJ1からJ2に降格したヴァンフォーレ甲府が18位と、優勝候補が低迷する今季のJ2は、序盤から戦国時代の予感が漂う。