J3参入2年目のアスルクラロ沼津が、開幕4試合連続完封勝利を飾った(第3節相模原戦は雪のため延期)。カターレ富山に2-0。後半12分、FW青木翔大(27)がDFラインの裏に抜け出し、先制点を奪った。同44分には、途中出場のFW田中直基(25)が追加点をゲット。J2ライセンス取得の見通しが立たない中でも、選手たちは全力プレーで勝利を重ねている。

 沼津の選手が、結果を残し続けている。後半12分、青木が、左斜め後方からのDF砂森和也(27)が出した浮き球に反応。DFラインの裏に抜け出した。GKと1対1になり、左足で股間を抜いて先制点を決めた。「シュートをふかさないことだけを考えました」。

 風下に立った前半は、富山に押し込まれる場面が目立った。それでも相手のボールホルダーの状態を見て、前からプレスにいくか、後方でブロックを敷くか、臨機応変に対応した。吉田謙監督(48)は「チーム一丸となり、守りきることができました」。その結果が、開幕4試合完封勝利だが、あえて笑顔は抑えた。「余韻に浸ると隙が生まれます。良い準備をして次節に臨みます」。

 試合開始前には、先月21日に急死した大沼明穂沼津市長(享年58)をしのび、観客とともに黙とうした。J2ライセンス取得に必須のスタジアム問題解決は、不透明なままだが、青木は自分たちのプレーに集中する姿勢を示した。「結果を出さないと始まりません。問題解決に動いてくれることを願っています」。

 J3に参入した昨季の最多連勝記録4に、早くも並んだ。首位鳥取よりも1試合少ない状況で勝ち点12の2位。連勝記録更新を懸けた次節は8日、アウェーで長野と対戦する。【古地真隆】