清水エスパルスとジュビロ磐田は、静岡ダービーで勝ち点1を分け合った。互いに決定機を決めきれず、2011年5月28日以来、約7年ぶりのスコアレスドロー。清水はピンチの場面で粘りの守備を見せて、開幕戦以来の無失点。後半の攻勢を生かせなかった磐田の名波浩監督(45)は、「勝ち点2を失った試合」と断じた。

 磐田には、悔しさが残った。選手に笑顔はない。名波監督は「勝ち点2を失ったゲームだと自覚している」。FW川又堅碁(28)も「この試合は勝たなければ意味がない。引き分けでは誰も喜べない」と表情を曇らせた。

 前後半を通じてシュート数は13-5。特に後半は主導権を握りながら、1点が遠かった。同2分、3戦ぶり先発復帰のMF中村俊輔(39)のCKに、川又が頭で合わせた。同11分にも、CKの混戦から川又が飛び込んだが、いずれも清水GK六反の好セーブに阻まれた。

 指揮官は同26分、4日のルヴァン杯甲府戦で2得点したMF荒木大吾(24)を投入。同31分にはFW小川航基(20)を入れ、システムを2トップに変えるなど最後まで攻めの姿勢を貫いた。だが、歓喜の瞬間が訪れることはなかった。荒木は「最後のクロスの質が悪かった」と悔やんだ。

 ただ、これで公式戦は6戦負けなしだ。ゲーム主将のDF大井健太郎(33)は、中3日で迎える11日次節アウェーG大阪戦へ向けて言った。「しっかり、良い準備をしていきたい」。悔しさは次のダービーまで胸にしまい込み、1戦1戦、前進する決意だ。【前田和哉】