北海道コンサドーレ札幌が柏レイソルに逆転勝ちし、3連勝を果たした。0-1の前半13分に、今季リーグ戦初先発のMF宮吉拓実(25)が同点弾。後半42分にはJ1通算100試合目のFW都倉賢(31)が、2試合連続となる決勝点を3試合連続ゴールで決めた。都倉が刻んだチームのJ1アウェー通算100点目で、J1では01年以来となるチーム最長タイの5戦負けなし。今季敵地で初めて勝ち点3をつかみ、暫定4位に浮上した。

 チームの3連勝を決めたのは、自身のメモリアルゲームでもあった都倉だった。試合終了まで残り約3分。都倉の左クロスはファーサイドに流れた。MF三好がキープし、ゴール前へと折り返すと、猛然と突っ込んできた都倉が体を投げ出し、飛び込んだ。ヘディングでゴール右にねじ込むと、柏カラーの黄色に染まったスタジアムが静まりかえった。

 J1通算100試合目の都倉がJ1敵地で奪ったチーム通算100点目が、今季敵地での初勝利をもたらした。両手を広げて叫び、仲間と輪になって喜びを分かち合うと、両手を膝につき、数秒間、その余韻に浸った。14年目での大台到達は決して早くはないが「僕だけの色を持った100試合」。つらいこと、うれしかったこと、いろいろあったが、歩んできた道には自信がある。

 自身のゴールが、総力戦での勝利につながったことも喜びを倍加させた。連戦で主力にケガ人が続出。前節から先発は3人入れ替わった。今季リーグ戦に初先発した左シャドーの宮吉が同点弾を決めた。後半40分にMF兵藤に代わって投入されたMF稲本は、今季リーグ戦初出場。厳しい寄せで相手ボールを奪い、決勝点の起点となった。FWジェイの負傷で出場機会を得て以来、結果を残し続ける男は「キャンプから同じ時間を経過して同じだけ成熟し、理解度、認知度が上がっている。それを彼ら自身が証明した結果」と胸を張った。

 01年のクラブ最長に並ぶ5戦負けなしで勝ち点を積み重ね、暫定ながら4位につけた。「ミシャ(ペトロビッチ監督)は『ACLが目標』と言っている。モチベーションを保ちながらできる」と都倉。シーズン序盤とはいえ、結果を伴う勢いは本物。指揮官の目標に、チームが追いつきつつある。【保坂果那】