北海道コンサドーレ札幌はジュビロ磐田に3-2で逆転勝ちし、1次リーグ突破に望みをつないだ。3戦全敗で迎え、引き分け以下で1次リーグ敗退が決定する一戦だった。ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)は「勝利すべく全力で戦ってくれた。負けや引き分けでこの大会を去ることを意味する。よくやってくれた」と、選手をたたえ、ほほ笑んだ。

 初の勝ち点3をもたらしたのは、今季加入MF宮吉の右足だった。後半から投入され、2-2で迎えた同45分。右サイドのMF早坂からゴール前に出たパスをダイレクトでゴールに流し込んだ。リーグ戦前節14日柏戦の先制弾に続く、公式戦2試合連発に「今日何としても勝ち点3を取らないといけない。勝ち越せて良かった」と安堵(あんど)の表情。今季同杯は全試合出場ながら勝てなかった鬱憤(うっぷん)を晴らした。

 チームの勢いが、好循環を生む。リーグ戦は3連勝、J1ではクラブ史上最長タイの5戦負けなしを継続中で4位につけている。そんな上昇ムードに、選手も背中を押される。前半16分に先制点を奪ったMF内村は、16年11月12日J2千葉戦以来のゴールで先陣をきった。「シュートの意識がずっと薄れていたけど、ゴールを意識して試合に入れた。久しぶりなのでもっと欲を出していきたい」。

 連戦でケガ人も続出しているが、出番を待っていた選手にとってはアピールするチャンス。その競争意識の高まりが、磐田に押し込まれる展開となった終盤の粘り、勝ちきる精神力につながった。指揮官は「総力戦で乗り切る」と言葉に力を込めた。不安要素は見あたらない。チームに、あきらめないタフさが身についてきた。【保坂果那】