湘南ベルマーレMF石川俊輝(26)が、浦和レッズ戦で決勝弾を決め、1997年(平9)7月19日のホーム戦以来、対浦和戦で20年9カ月、19試合ぶり(J1は1分け12敗、J2は4敗、ナビスコ杯=現ルヴァン杯=1敗)の勝利の立役者となった。

 石川は前半30分、DF山根視来がハーフウエーラインを超えたあたりで右前方にスルーパスを通し、受けたMFミキッチ(38)が鋭く折り返すと、走り込んで右足を振り抜いた。「ふかさないことだけ考えて打ちました」というシュートは、ゴール右に突き刺さった。2月24日のV・ファーレン長崎との開幕戦で決めたプロ5年目でのJ1初ゴール以来10戦、2カ月ぶりとなる今季2ゴール目は、長崎戦同様、チームを勝利に導く決勝弾。「珍しく取れています」と笑った。

 14年に東洋大からJ2の湘南に加入し15、16年はJ1でプレーしたが、15年は15試合の出場にとどまり16年は31試合に出場もチームはJ2に降格。未熟で何もさせてもらえなかったという思いばかりだったJ1へ再チャレンジと位置付けた年が、今季だった。この日は浦和の選手と激しく競り合っても倒れず、前線に何度も顔を出し、成長した姿を見せたが、試合後は「判断の部分、トラップだったり、まだまだですね。成長していかないといけないし、もっとこだわっていきたい」と手綱を引き締めた。

 この日、チームが浦和から歴史的な勝利を挙げたことに話を向けられると「らしいですね。いやぁ…やっぱり、純粋にうれしいこと。勝ちにつながるゴールが取れたのは選手としてうれしく思います」と喜んだ。そして「ゴール前まで今年は行けている。行って満足じゃなくて、決めきることを次の段階として1歩1歩、進んでいきたい」と誓った。【村上幸将】