J2は4月28日に開催された11節で、東京ヴェルディがアウェーで大宮アルディージャに0-2で敗れ今季初黒星を喫し、無敗チームがなくなった。大分トリニータが、カマタマーレ讃岐から完全移籍したFW馬場賢治のハットトリックなどで、FC町田ゼルビアとの上位対決に4-3で打ち勝ち首位をキープ。2位ファジアーノ岡山は、こちらもロアッソ熊本との上位対決で先制を許したが、DF浜田水輝の逆転ゴールなどで3-1で勝ち大分と勝ち点24で並んでいる。

 大分は今節、13位の大宮をホームに迎え撃つ。大宮との対戦は、ともにJ2で戦っていた15年以来3シーズンぶりで、当時は2戦全敗だった。ホームでも、J1で戦っていた08年8月24日の試合以来、勝てていない。片野坂知宏監督(47)の元、磨き上げた巧みなパス回しとサイドを広く使った攻撃と堅守の融合した総合力の高いサッカーで、久々のホームでの勝利をつかみたいところ。個の能力が高い大宮FWシモビッチ、MFマテウスには要注意だ。

 岡山はアウェーで18位ジェフユナイテッド千葉と対戦する。17年は1勝1分けと互角の戦いを演じたものの、アウェー戦では1-3と完敗した。岡山は千葉とのアウェー戦にめっぽう弱く、09年にJ2に参戦し、同年にJ1からJ2に降格した千葉と翌10年から戦い始めて7年、アウェーでは2分け6敗と1度も勝ったことがない。千葉も前節、ヴァンフォーレ甲府に1-1で引き分け、今季初めてアウェーで勝ち点を得るなど復調の兆しを見せているだけに要注意だ。

 大分と岡山を勝ち点4差で追う3位のレノファ山口は、アウェーで16位の甲府と対戦する。過去、公式戦での対戦はないが、4月30日に因縁が出来た甲府が同日、吉田達磨監督との契約解除を解除し、招聘(しょうへい)した上野展裕新監督は、山口をJFLに参戦した14年にJ3、16年にはJ3優勝とJ2昇格に導いた“大恩人”だ。17年5月に成績不振で解任された同監督の元でプレー経験のあるMF小野瀬康介ら“教え子”が、霜田正浩監督率いる新生・山口の違いを、どう見せるか。

 また、同じ東京をホームにする、5位の東京Vと8位に転落した町田との「東京クラシック」も、今後の上位争いを見据える両クラブの対戦だけに、見逃せない。