J2は今節で日程の3分の1を消化する。例年通りの混戦だが、J1から降格した大宮アルディージャが11位、アルビレックス新潟が12位、ヴァンフォーレ甲府が17位と厳しい戦いを強いられている。甲府に至っては監督交代に踏み切らざるを得なかった。また上位争いを期待された松本山雅FCは10位、徳島ヴォルティスは13位、ジェフユナイテッド千葉は14位と苦戦している。

 一方で、17年に勝ち点1差で残留したレノファ山口FCが3位、16位のFC町田ゼルビアが5位、17位のツエーゲン金沢が7位と昨季、下位に低迷したチームが上位に顔を見せている。J3から昇格した栃木SCも、6戦無敗で7位と躍進している。11位大宮から15位ロアッソ熊本までが勝ち点17で5チームが並んでいるが、首位大分トリニータとの勝ち点差は10で連勝、連敗で順位はまだまだ入れ替わりそうだ。例年以上に混戦の様相を呈しているJ2にとって、今節は今後のカギとなりそうな試合が多い印象だ。

 大分は13日、ホームで2連勝と好調の16位FC岐阜を迎え撃つ。大分は過去、J2で岐阜と12試合戦って9勝2分けと負けたことがない。唯一の敗戦となった10年9月のアウェー戦以降、8勝2分けと10戦負けなしで、ホーム戦では4勝2分けと圧倒的な強さを誇る。ただ、最も直近で戦った17年10月のホーム戦では3-3と派手な撃ち合いの末、引き分けた。大分が両ワイドを使ったダイナミックな攻撃でJ2最多の25得点を挙げている一方、岐阜も大木武監督の元、攻撃サッカーがウリだけに、今回も激しい攻め合いが期待できそうだ。

 2位のファジアーノ岡山はここ2戦、1分け1敗と勢いがやや落ちてきた。13日に水戸ホーリーホックとのアウェー戦に挑むが、ここ3シーズン全て1勝1敗と接戦を演じている。一方の水戸も一時は首位に立ちながら4連敗で、勝ち点15で19位と苦しんでいる。互いに、ここで勝てば上位陣に再浮上の可能性もあるだけに負けられないところだ。

 大分と勝ち点3差の3位山口は12日、ホームに3連敗で9位に順位を落とした東京ヴェルディを迎え撃つ。過去の対戦成績は2勝1分け1敗とリードしているが、17年はホームで0-2と完敗している。勝てば大分と勝ち点で並ぶ可能性もあるだけに、勝ち点3を確保したいところだ。

 千葉が12日に勝ち点17で並ぶ新潟とホームで対戦する1戦は、両チームがJ2で戦う最初の試合となる。J1では4勝5分け3敗と拮抗(きっこう)した戦いを展開しているが、千葉は最も直近で戦った2009年9月12日のホーム戦では0-1で敗れている。同戦でゴールを決めたFW矢野貴章は今も新潟で健在だけに、J2での千葉との初戦でゴールを決めるか、注目だ。