V・ファーレン長崎MF中村慶太(24)が、5失点で大敗を喫した横浜F・マリノス戦で3戦連続ゴール、1アシストとチームの全2得点に絡む活躍で気を吐いた。

 まずは前半13分。左サイドでMF翁長聖が出したパスが横浜MF山田康太に当たり、こぼれたボールをダイレクトに折り返し、FWファンマ(27)の先制ゴールをアシストした。同点で迎えた後半2分には、ファンマのシュートをGK飯倉大樹が弾いたこぼれ球を右足で押し込んだ。ただ、その後、4連続失点を喫して敗れた。

 試合後は「自分としては個人で結果がついてきたのは非常にいい傾向。続けていかないといけない。でも2点差をつけられなかった。1点差が逆に危ないと思っていたので、悪い方向にいってしまった。追加点を取れなかったのが敗因」と悔しさをにじませた。

 5日のセレッソ大阪戦、12日の名古屋グランパス戦では2発、そして横浜戦と3戦連発、4ゴールの固め打ちと絶好調だ。ただシーズン序盤は、2月24日の湘南ベルマーレとの開幕戦から3戦は途中出場で、3月7日のルヴァン杯第1節ヴィッセル神戸戦もベンチを温めて終わるなど、スタメンを勝ち取れない日々を過ごした。

 神戸戦後、高木琢也監督(50)と1対1で話す機会があった。ケガで開幕前のキャンプで練習試合に出られなかったこともあり、同監督から「コンディションはどうだ?」と聞かれると「正直、試合勘が全然ないので、14日のルヴァン杯湘南戦では、公式戦で90分戦える準備をしたい。先発で使って欲しい」と“直訴”した。

 その湘南戦でFKを決めて2-1勝利に貢献し、同18日の北海道コンサドーレ札幌戦でJ1で初のスタメン出場を果たした。そして4月8日のFC東京戦以降は10試合に出場し、うち9試合が先発と高木監督の信頼を勝ち取った。「(J1で)ピッチに立つ時間が短いことに、自分自身に腹が立っていた。高木さんは僕を信頼してくれたし、期待を裏切っちゃいけない、チャンスを絶対に無駄にしたくない」と、どん欲にゴールを狙い続けた結果が3戦連発につながった。

 最近はサッカー番組でもプレーぶりが紹介されるなど、評価はうなぎ上りだ。J2で戦った17年も37試合に出場し、ファンマに次ぐ8ゴールと結果を出したが「J1でやっていく中で、試合で学んでDFとの駆け引きでいい感覚をつかめ、J2の時より得点のレパートリーも増えた。感覚が研ぎ澄まされているところは評価してもいいと思うし、継続すれば後半戦、もっと点が取れると思う」と自信を口にした。J2時代の16年に加入して3年目で初のJ1を戦う中村は、まだまだ進化する。【村上幸将】