浦和レッズGK西川周作が、サンフレッチェ広島時代に師弟関係だった日本代表の森保一監督が視察した中でファインセーブを連発。チームを勝利に導いた。

 最大の見せ場は後半21分だった。DF橋岡大樹のバックパスがペナルティーエリア前にいた相手FW小林悠に奪われ、いきなり1対1という絶体絶命のピンチ。誰もが失点を覚悟したが、西川が素早い飛び出し。「手も使える状態で」とエリア外には出ない冷静さも保ち、体を張ってストップした。1点差の状況で相手エースを止める、殊勲のプレーだった。

 セーブ直後には橋岡のところへ駆け寄り、背中をたたいて励ました。視察した森保監督は「サッカーは球技のなかでおそらく1番ミスがおおくなるスポーツだと思いますけど、誰かがミスしたら誰かがカバーしてあげる。で次また頑張っていこうという姿勢。すごくいいと思いました」と感心していた。

 オフ期間には土田GKコーチを中心としてGKグループで集まり、ワールドカップをはじめとした海外選手の1対1シーンを10回見た。「股(のスペース)を消しながら勝負することは難しいけど、自分の経験に変えていきたいなと」。常に高い向上心を持つ守護神の取り組みは、早くも結果に表れた。

 西川はW杯ロシア大会のメンバーからは落選したが、日本代表という目標は今もぶらさずに持ち続けている。「ポイチさん(森保監督の愛称)とまたやりたいと強く思うし、プロの選手として日本代表は常に目指したい。また呼んでもらえるように、まずはチームで結果を残したい」と語った。