今夏、元スペイン代表FWフェルナンドトーレス(34)を獲得するなど、大型補強で注目されたサッカーJ1の鳥栖は、クラブ幹部が準強制わいせつ容疑で逮捕され世間を騒がせた。

鳥栖は28日、本拠地のベアスタで謝罪記者会見を行い、竹原稔社長(57)が謝罪した。クラブとしては、事実関係が確認され次第、解雇処分が下される見通しだ。

逮捕されたのは、運営会社「サガン・ドリームス」の事業部長、佐藤基彦容疑者(34)。佐藤容疑者は、モデルの勧誘を装って女性の胸を触ったとして、福岡県警博多署に、準強制わいせつの疑いで逮捕された。

鳥栖は、トーレスが22日天皇杯で来日初得点、26日はJ1でも初得点し2戦連発。16位低迷から浮上のきっかけをつかんだ矢先の不祥事で、竹原社長は報道陣に「皆様の信頼を著しく失墜させる極めて許し難い行為と考えております。皆様にご心配とご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます」と謝罪した。

佐藤容疑者は、13年5月に入社。試合前に行われるイベント企画などに携わり、昨年、事業部長に就任した。人柄を問われた際、竹原社長は涙ながらに「私の責任。情熱を持ちサッカーの仕事をしていた。誠実に仕事をし、若いスタッフからは尊敬されていたように思う」と声を絞り出した。

この日は、チームがオフだったため、竹原社長はマッシモ・フィッカデンティ監督(50)と主将のDF吉田豊(28)に電話で、逮捕を伝えたといい、両者から「『クラブは大丈夫ですか』と言われた」と心配されたことも明かした。

練習が再開される29日、竹原社長からチームへ説明が行われる予定だ。

博多署によると、逮捕容疑は6月21日午後10時55分ごろ、福岡市博多区の公園で「モデル体形か確認する」などと言って同市の女性(24)の胸などを触った疑い。佐藤容疑者は「私がやったことだと思う」と認めている。佐藤容疑者が帰宅途中の女性に「モデルに興味ありませんか」と路上で声を掛け、公園に誘い込んだ。同区内では6月、同様の被害が他に1件あり、県警が関連を調べている。