横浜F・マリノスが鬼門突破で01年以来17年ぶりの決勝進出へ前進した。敵地で鹿島アントラーズに2-1と競り勝った。0-0の後半32分にMF天野純(27)が直接FK、ロスタイムに追い付かれた直後に、山中のFKのこぼれ球をFWウーゴ・ヴィエイラ(30)が押し込み決勝ゴールを奪った。約6年間勝利のなかった鬼門のカシマスタジアムで貴重な勝利を挙げ、14日の第2戦に挑む。

横浜自慢のFKからの2発で難敵鹿島をねじ伏せた。まずは後半32分、ゴール正面の約20メートルの位置でFKを得ると、天野と山中がボールの前に立った。「ふがいないプレーをしていたので(山中に)蹴らせてくれと言いました」と天野が短い助走から左足を振り抜くと、壁の間を抜いてゴール左隅に突き刺さった。

後半ロスタイムに一時は同点とされるも、最後まで諦めない。直後に再び同じような位置でFKを得ると、今度は山中が左足を振り抜いた。低い弾道でワンバウンドしたボールはGK曽ケ端の手からこぼれ、ウーゴ・ヴィエイラが素早く詰めて勝負を決めた。

敵地カシマスタジアムではリーグ戦含め13年6月以来、勝ちがなく6連敗中だった。天野は「5年間、マリノスでやっているけど、ここで勝った記憶がなかった。鬼門を突破できてよかった」と喜んだ。貴重なアウェーゴールも2つ積み重ね、最後に同大会を優勝した01年大会以来の決勝進出へ向けて大きく近づく勝利となった。

第2戦は14日に横浜のホーム、ニッパツ三ツ沢球技場で行われる。勝つか引き分けはもちろん、0-1の敗戦でも突破を決めることができる。有利な状況となったが、17年前の優勝以降は準決勝で実に6度、敗退している。天野は「鹿島は絶対に修正してくるし、油断はできない」と引き締めた。【松尾幸之介】