柏レイソルは、鹿島アントラーズとの撃ち合いに屈した。これで3連敗となり、2試合を残して残留に黄信号がともった。

加藤望監督(49)は試合後の監督会見の冒頭で「ホームで絶対に勝ちたい、勝たなきゃいけないゲームを負けてしまって…。平日のこういう天気にもかかわらず、熱い応援をしてくださったのに、返せなくて申し訳ない」と、降雨の中、熱い声援を送り続けたサポーターに謝罪した。

さらに試合の総括でも「選手は最初から良い入りをして、諦めずに戦ってくれた。僕の至らないところがたくさんあり、選手には申し訳ないし、応援してくださった方にも、こういう結果で本当に申し訳ない」と選手とサポーターに向け、自らの至らなさを重ねて謝罪した。

2-2で迎えた後半16分、中央で出したパスを鹿島に奪われ、ショートカウンターを食い、MF遠藤康のループシュートがバーに当たった跳ね返りを、MF山口一真にたたき込まれ、敗れた。その場面について聞かれた加藤監督は「あの場面に関しては、あそこにパスを出さなければいけない、選択せざるを得ない状態だったと思う。自陣の真ん中でのパスのサポートの仕方も一瞬、遅かったので、パスを選択してしまった。もちろん、ミスはありますが厳しい中でボールを入れる状況を作ってしまった、というのもある」と、中央にパスを出した選択に追い込まれたこと自体が問題だったと語った。

この日、残留を争う名古屋グランパスがセレッソ大阪に1-0で勝ち、勝ち点を37に伸ばし同36のサガン鳥栖をかわして暫定15位に浮上した。柏が残り2試合の一方、ともに3試合を残す16位の鳥栖との勝ち点差が3、15位名古屋との勝ち点差が4となり、残留へ崖っぷちに立たされた。加藤監督は、質疑応答の中で「負けられない状況の中、何を改善する?」と聞かれると、この日、セットプレーから2失点を喫したことも踏まえ、反省した。「もったいない失点の状況を作らなかったり、セットプレーで失点している。今日は、しっかりボールをつないで攻撃するところを確認してゲームに入った。やれることをもっとやれるように、テンポ良く、性格にフィニッシュに持っていけるようにやっていきたい」と語った。

その上で、非常に厳しい状況で必要なことについて聞かれ「自信を持って、日々、練習することだったり試合すること。なるべく、ネガティブなことを排除しやれることをやる。仲間を信じることが大事」と、絞り出すように語った。【村上幸将】