東京ヴェルディDF井林章(28)が、今季ホーム最終戦となったカマタマーレ讃岐戦で、FWばりの右足ボレーで今季初ゴールを決めるとともに、堅守で自らが挙げた決勝弾を守り抜き、J1参入プレーオフ圏内の5位死守に貢献した。

井林は、讃岐にボールを支配され劣勢だった前半38分、MF内田達也がペナルティーエリア右側に蹴り上げた浮き球パスを、DF平智広が相手選手と競り合いながら頭で落としたボールに反応。右足ダイレクトボレーで、ゴール右にたたき込んだ。「平から、いい折り返しがくればいいなと思って、ポジションをしっかり取ろうとしたら、目の前に来たので合わせるだけ。止めるという判断はなかった。当たり損ないですけど、いいところに飛んでくれた」と振り返った。

待望の今季初ゴールに「ホッとしました」と笑みを浮かべる一方で「ボレーで結構、決めているんですよ。今までも多いんすよ」と胸を張った。その上で、なぜボレーが得意かを自ら解説した。

井林 ダイレクトでプレーするのが好きなんですよ。インターセプトも出来るだけダイレクトでつなぎたいし…僕はダイレクトシュートは、インターセプトの延長だと思っていて、それが出たんだと思います。

その言葉どおり、井林は後半、讃岐が放り込んでくる浮き球パスをダイレクトに讃岐陣内に蹴り返し、味方の攻撃につなげるなど堅守で東京Vを勝利に導いた。

試合後、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(61)が会見で、4日の松本山雅FCとの上位対決に敗れ、自動昇格圏が厳しくなり、讃岐戦までの1週間は「難しい1週間」と語ったこと伝え聞くと「確かに大変でしたけど、自動昇格がダメになっただけでプレーオフに目標が変わっただけ。モチベーションは選手個人の問題」と言い切った。

讃岐戦では、前半はパスを回す讃岐に押し込まれ、後半はロングボールにも苦しめられ、ラインを下げられたところがあった。取材陣から、そのことを指摘されると、井林は「どれだけラインを上げても、相手はロングボールを蹴ってくる。町田戦も、そうなると思う」と、アウェーでFC町田ゼルビアと戦う17日の最終節について自ら話を向けた。

井林は「(町田は)もっと勢いがあると思うので、もっと個人、個人のデュエルを高めていかないと厳しいとは思う。まだまだ練習から、この1週間でやれることをやらないといけない」と気を引き締めた。【村上幸将】